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3連休その1

色々あったこの連休は濃密な時間でした。
(今日は仕事でしたが・・・)

まずはその1。

土曜日、安藤忠雄展を見にギャラ間へ。

トークショーがあり、30分安藤さんの話を聞く。

これまで学生時代に何度と安藤さんの講演会に行く機会はあったけど、
話しの内容が変化していた。

今回の話の大半の内容は若者と言われる人たちへのメッセージだった。

どこでもよく言われる事。

○コンピューターで図面が描け、コミュニケーションが出来、
現代人からパソコンを奪うと何も出来なくなる人が多い。

○建築というのは恵まれた職業なんだ。
建築と対話し続ける事を怠ると良い建物は出来ない。

○住みにくい家で有名な住吉の長屋。
住みにくいが何もかも与えられた家でなく、不自由だと人は考える。
建築は考えると色々な可能性が見えてくるもの。
住吉の長屋は住みにくいが考えて住めば慣れ、
そこが住みやすい家になる。


色々な話の中で一貫していた事は「考える」という事。

コスト/敷地/施主の要求

建築はありとあらゆる要求を全て満たす事が必要である。

コストが合わなければコストの合う設計に変更しなければならないが、
当然施主の要求は絶対に守らなければならない。

ここで工夫を出来るかどうか。

この工夫の仕方で建築家と非建築家に分かれるのだろうと思った。

住吉の長屋は低予算の設計であった。
空調など付ければ予算は軽く超えてしまう。

じゃあ空調のない家は住みやすいのか?
空調がなくても良い生活が送れる家は出来ないのか?

考えていく中で細長い敷地の中央を中庭にした。
狭い敷地にも光が差し込む。
風が通り抜ける。
夏は涼しい。

安藤「明るくて涼しい家ですよ」
施主「でも安藤さん、冬は寒いですよ」
安藤「服を1枚多く着て下さい。」
施主「それでも寒かったら?」
安藤「さらに1枚着て下さい。」
施主「それでも寒かったら?」
安藤「諦めて下さい」

こんなやりとりしたらしい。(本当かどうか定かではない)

ギャラリー間では原寸の住吉の長屋が展示されているので、
住吉の長屋がどうゆう空間なのかが分かる。

トイレに行く時に傘が必要な家。

絶対に住みたくないと殆どの人は思うだろうが、
そこに住む人はそこで生活をしている。

要求を満たす以上を工夫で提案しなければならなく、
そこは設計者としての見せ所なのだ。

今、工事が始まろうとしている物件がある。

これは法規などを読み、工夫をしている点がある。

ただもっと工夫出来るポイントはまだまだある。

良いモノを作るためには、工夫しなければいけない。
工夫する為にはモノを知らなければならない。

その思いを胸に新国立美術館のピカソ展へ。

今の自分にピカソの絵は理解出来るだろうか。

ワクワクしながら眺める。

時代背景・ピカソを取り巻く状況の変化が絵に現れているのだろう。

初期は人物もモノがそれと分かる絵である。
それが中期以降、抽象化されていっている。

そこからのピカソの絵を理解するのは非常に困難だ。

まだ開催されているので、少し間をおいてもう一度見に行ってみたい。

東京都美術館ではフェルメール展が催されている。
フェルメールの絵は日常のかなり細かなある一部の情景を抜き出した絵という印象。

個人的にはフェルメールの方が好きなのだが、
ピカソは好き/嫌いというのではなく、
見たいと思ってしまう。

絵って面白い。

芸術の秋をこれから加速させよう。
by true-nk.blog | 2008-10-13 23:53 | 日記・出来事